時々、
「商売人は物を売ったもん勝ちだ!」
みたいな意見を聞くことがあります。
 

まぁこの意見には僕は概ね賛成ではありますが、時として、
「誰かを騙す」
みたいな雰囲気になってしまい、罪悪感を抱えながら仕事をしている人も多いのではないかと思うこともあります。
 

(というか僕がアフィリエイトを始めた頃は、別に自分が好きな商品だけを売っていたわけではないので、そんな気持ちと常に戦っていたような気がします。)
 

この罪悪感という感情はどうも取引がWin-Winじゃない時に起こる感情のようです。
 

要は、誰かが勝って、誰かが負けるという取引です。
こういう取引を繰り返す人は時々「詐欺師」などと呼ばれたりしますね。
特に、ネット上では時々あるアフィリエイターを名指しして「こいつは詐欺師!」という評価をしているサイトや口コミを見ることができます。
 

ただ、この「詐欺師」の定義は非常に難しい。
詐欺の定義は、「悪意を持って相手を欺き、金品などを騙し取る行為」として一般的に言われているかと思うのですが、
結局この「悪意」というのがあるのかないのかはっきりしないことが非常に多いからです。
まぁただ、こんな取引が日常の中で当たり前に行われていると、多くの方が普通に生活を送るのが困難になるので、
一般的に「詐欺はだめだよ」と言われる所以になってくると思います。
 

全ての取引は、基本的にWin-Winでなければならないのですが、詐欺の場合はWin-Loseが基本になるので、
反感を買うのも仕方ないっちゃ仕方ないですし、そんな仕事をしているとストレスが溜まるのは当たり前といえば当たり前なのかもしれません。
それは、誰かの失敗の上に成り立つ仕事です。
 

ではWin-Winとは何なのか

Win-Winの取引とは、その取引において、双方が得をする取引のことを言います。
 

安直なたとえですが、たとえば世の中に
「魚屋」「漁師」が居たとしましょう。
 

「魚屋」は新鮮な魚介類を市民に届けるのが主な仕事です。
でも、海に漁に出かけなければ、魚はあっという間に売切れてしまう…。
かと言って、漁に出ている間店を閉めていれば当然に売り上げは下がるし、
魚介類を市民に提供する時間が限られてしまう…。これは困った。
 

となった時に、「漁師」が居てくれると非常に大助かりなわけです。
お店を開いている間にspan class=”underline”>「漁師」は海にどんどん漁に出てくれてどんどんと魚をとってきてくれます。
 

だから「魚屋」「漁師」基本的にはWin-Winな関係であって、両者とも生存していられるわけです。

 
 

もともとWin-Winだったはずの取引がWin-Loseになってしまう理由

そもそも大前提として、Win-Winというのは「両者が異質だから成り立つ」という側面があります。
 

上記の例だと、「魚屋」と「漁師」は、目的こそ同じかもしれませんが、日常業務としては全く違うことを行っていますよね。
「魚屋」は魚を売ることが仕事であって、「漁師」は魚を海から取ってくることが仕事です。
 

ところがある時漁師の家族は思いました。
「んん?どうやら魚屋はそれなりに儲かっているようだ…。
私達は漁に出ていない間は暇だし、そもそも漁に出ていない家族はいつも家で待っているだけで暇だ。
この暇な時間を活用して、店を出せば魚屋よりは安く魚を売ることができるかもしれない。」

と。 
 

こうなると、状況は少し変わってきます。
要は、今まで漁師と魚屋は異質だったから、競合せずに成り立っていたWin-Winの関係が、
漁師が魚屋を開店することによって、多少なりとも競合する関係になってしまうのです。
 

ここで魚屋は抗議するかもしれません。
「おいおい勘弁してくれよ、、これじゃぁ商売あがったりだよ…」
とか言うかもしれないし、思うかもしれないですよね。
 

でも、漁師に魚を売るのはやめてくれとも言いづらいでしょう。
 

しまいには、「魚を売ること」を覚えた漁師は、魚の仕入れ値をそれなりに上げてくる可能性もあります。
 

これは魚屋にとっては死活問題になる可能性があり、もっと言ってしまえば漁師のことが末恐ろしく感じ、脅威に感じる可能性すらあると思います。
 

案の定、
「魚が高値で売れること」を知った漁師は、魚屋に仕入れ値の底上げの話を持ちかける流れになるでしょう。
別に魚屋が仕入れてくれなかったとしても、自分で売ればいいわけですから特にリスクもありませんからそうするのも当然です。
 

他に魚を仕入れる術を持たない魚屋は、魚の仕入れ値Upを承諾せざるを得ないでしょう。
 

これをWin-Loseと行ってしまうのは少し難しいですが、(どちらかが損をしているわけではないので)
まぁ魚屋にとっては取引しづらいような状況になってしまうのは確かもです。
 
 

まぁ、この例は、「漁師が魚屋を始めたことを、魚屋は知っている」わけなので、
一言に「詐欺」と言ってしまうのは難しいですが、
 
 

少し例を変えて、
 
 

仮に漁師が隣町で魚屋を始めていたとしたらどうでしょう。
 
 
漁師が魚屋を始めていたことを、魚屋は知らなかったとしたら・・・。
 
 

この場合は「魚屋は漁師にいきなり料金の値上げを提案される」わけですから、
「何だそれは聞いてないぞ!前言っていた話と違うじゃないか!詐欺だ!最初は良い顔をしておいて…騙された!」
などと思うかもしれないですよね。
 
 

でも、これは確かに漁師が魚を売り始めることを事前に魚屋に伝えなかったのは不親切ですが、
一概に詐欺ということは難しいと思います。取引の際に契約を交わしていたならともかくとして、
第一、そういうことを伝える義務もあるのだろうか、という話も出てきますよね。
 
 
 

こういった例は、商売の世界ではよくあることだと思うわけです。
 
 

上記の例は、漁師が魚屋を始めたこと(漁師が変化したこと)が発端になり、それまでのWin-Winがいびつになってしまった例ですが、
でも、漁師は「自分達のアイディアに基づいて新しい事業を展開しただけで、騙すつもりもなかったし悪気もなかった」というのが本音にはなると思います。
 
 

こうして、漁師と魚屋の間に、あまり美味しくない取引が生まれてくるわけです。
 
 

では魚屋は何をすればよかったのか

 

上記の例では、なかなか苦境に立たされている魚屋ですが、
では魚屋はどうすればよかったのでしょうか。
 

これに一言で答えを出すなら、
「魚屋は、儲かっている間に別の売り上げの上げ方を検討すればよかった」
「これからでも間に合うから、魚に付加価値をつけて売る方法を検討するべき」
「魚の売り方のノウハウについては、後発組の漁師よりも勝っているはずだから、そこから検討しなおす」

 
 

といったことができると思います。要は負け組みに甘んじてはならないということです。
 
 

「とは言っても、今更新しいことを始める気にもなれないし、そもそも状況が悪くなったのに、これから新しいことなんてできるわけがない」
 
 

と魚屋は思うかもしれません。でもこれだともう既に気持ちの上で負けてしまっているので、やっぱり新しい勝利を収めるのは難しくなります。
 
 

漁師が魚屋を始めたことは罪だったのか

上記の例では「魚屋」に許可を取らずに魚屋を始めて、なかなか罪作りな漁師ですが、
漁師の選択は間違っていたのでしょうか。
これは僕は決して間違っているとは思いません。なぜなら、漁師は自分の環境を上手に活用して、利益を新しく生む方法を考えただけだからです。
結果的に漁師の家庭はそれなりに良い形で事業拡大できたと言えるのではないでしょうか。
 
 

これは罪なのかというと決してそうではないと思います。むしろ、漁師は稼ぎ続けなければいけない。
こうすることで、もう少し長い目で見るとまた別の変化が生まれて、差別化することに繋がっていくからです。
 
 

アフィリエイターは詐欺師なのか

これを一言で定義するのは非常に難しいと思います。
なぜなら上記の例同様、性質を変化しただけで詐欺師と言われるなら、この変化が激しいネット世界で生きているアフィリエイターはほとんどの確率で詐欺師呼ばわりされてしまうからです。(漁師の場合は、進化とも取れますが)
まぁただ、あまりにもよく言うことが変化する人間などは、そもそも信用できないわけなので、それはそれでアウトだとは思いますが。
相手の内側の努力を見ずに、一方的に詐欺師呼ばわりするのは、それは「見ていない人間」のエゴというものかもしれないなぁと思うわけです。
 
 

アフィリエイターはアフィリエイターで、稼ぎ続けなければならない。ネット社会の反映のために。
 
 

と思うわけです。
 

「勝ち組」であり続けるためには、進化をし続ける必要がある。